選択式の問題について思ったこと(間違ってるかも(免罪符))
例えばセンター試験なんかでは、大体の問題が以下の形式であろう
(問題1)次のうち、正しい記述はどれか
A:~
B:~
C:~
こんな問題があったとする
ここで、例えばAは間違いだということが分かっているが、BとCについては何も分からないとしよう
こんな時、選択肢のうちAは除外されるので、残るBの確率が1/2、Cの確率も1/2であると判断することは間違っていないだろう あとは鉛筆を転がすなりして回答を決めるだけである
一方で、ある試験では以下のような問題形式が採られることがある
(問題2)次のうち、正しい記述はいくつあるか
A:~
B:~
ア:0個
イ:1個
ウ:2個
AとB、記述が正しいかどうかが両方ともしっかり分かっていなければ答えを導けない、やや意地悪な問題である
ここで、例えばAは間違いだということが分かっているが、Bについては何も分からないとしよう
こんな時、選択肢のうちウは除外されるので、残るアの確率が1/2、イの確率も1/2... 、だから問題1と同じく当てずっぽうで決めてよい...
そんなふうに判断する人もいると思う
果たしてそうだろうか?
このような試験の正解選択肢は、確率に偏りがないように概ね当確率に割り当てられるはずである
つまり、例えば問題2のような問題が300問あったら、正解がアの問題が100問、イの問題が100問、ウの問題が100問 と1/3ずつにしたい
でもこういうふうに問題を作ろうと思ったら、AとBの正誤の確率分布は、次のようになるはずである
ア:正しい記述が0個(確率を1/3にしたい)
A:誤 B:誤 (確率1/3)
イ:正しい記述が1個(確率を1/3にしたい)
A:正 B:誤 (確率1/6)
A:誤 B:正 (確率1/6)
合計で確率1/3
ウ:正しい記述が2個(確率を1/3にしたい)
A:正 B:正 (確率1/3)
ここで、先ほどのようにAは間違いだということが分かっている時、
A:正 B:誤 及び
A:正 B:正
が除外され、
A:誤 B:誤 及び
A:誤 B:正
が候補として残る
なので、このような時にアが正解である条件付き確率は、
(A:誤であるときに、アが正解である確率)
=(A:誤であるときに、A:誤 B:誤である確率)
=(何もヒントがない時にA:誤 B:誤である確率)/(何もヒントがない時にA:誤である確率)
=(1/3)/(1/3+1/6)
=2/3
となり、同様にこのような時にイが正解である確率は1/3となる
つまり、残るアの確率が1/2、イの確率も1/2... というのは誤りで、
実際にはアの確率が2/3、イの確率は1/3 なのである
従って、このような場合には「ア:0個」を選択すべきである
このような考え方は選択肢が4個でも5個でも100個でも同様であり、選択肢のいくつかが除外された場合に残りの選択肢の正解率は決して一致しておらず、適当に選ぶべきではないということが分かる
ここで、正解選択肢が概ね当確率に割り当てられるという前提は一応疑う必要がある
これを確認するためには、過去問を漁るなりして選択肢ごとの正解率がフラットになっているかを調べればよい
だけど仮に確率に大きな偏りがあったとしても、確率分布さえ分かっていれば同様の考え方でどの選択肢を選ぶべきかは計算できるし、そもそも偏りがあるということはノーヒント(書いてあることが正しいか間違いかが全部分からない)の場合に選ぶべき選択肢が何か存在する、ということでもあり、いずれにしろ有意義である
このような考え方により多少正解率を上げることができると思うが、こんなこと考える前に試験の勉強をしたほうが得点が上がるとは思う